Vol.5 禁煙したいとお考えの方へ

2023.7.7

正常な「肺」と喫煙者の「肺」
電子タバコにも同じリスクがあります

「今日も元気だ、タバコが旨い!」コノキャッチコピーをご存じな方は間違いなく60歳上の方だと思います。(1957年に生まれたキャッチコピーです。」)

そうなんですよね、元気な時はタバコが旨いですよね。特に食後は旨いですよね!私も15年前までタバコ吸ってました。まじめにも二十歳から吸い始めて30年吸ってました。1日1箱から2箱、そこそこのヘビースモーカーでした。

でも、やめました!・・体調を崩したわけでもなく、長生きしたいからでもなく、あるキッカケと思いがあったからです。その体験談を書きます。

最初にやめようと思ったのは40歳になった頃です。世の中が「タバコの害」を意識するようになり、たばこメーカーもニコチンやタールの含有率を少なくして(3mgや1mg)世間と対抗していた時代です。

できればやめた方が良いよね、やめようかなぁ、でとりあえず「禁煙」にチャレンジしたことを覚えています。禁煙ガム(当時は処方箋が必要な医薬品)や禁煙パッチ(腕に貼るシール)、「禁煙できる本」も購入し読みましたがあえなく失敗!その後、約10年間悶々とした日々を過ごしました。

2度目は50歳になる少し前です。人生の折り返しも過ぎ、人生の後半をどのように過ごそうかと考えていた時、私の周辺で4人の友人・知人(同級生・後輩)が亡くなりました。全身「癌」でした。3ヵ月前に話をした人もいて、凄くショックでした。癌の種類はそれぞれ異なりますが、その中に一人に「肺がん」で亡くなった方がいました。胃の調子が悪いのでしばらく入院すると聞いていましたが、まさか肺がんで亡くなるとは考えてもいませんでした。

共通する友人から聞いたのですが、末期の症状は壮絶なものだったらしく、一言でいうと「24時間溺れている状態」が続くとの事。水泳の経験がある人なら、ある程度想像がつくと思います。しかもこの方は、昏睡状態に陥る前、この「24時間溺れている」という苦しみに耐えられず病室で「自殺未遂」まで起こしたそうです。本人も大変ですが、ご家族も大変だったことが想像できます。

この話を聞いた時、私は思いました。「こんな苦しみには絶対耐えられない!別に長生きしたい訳じゃないけど苦しんで死ぬのは嫌だ!じゃあどうすれば?何ができるのか?できることから始めよう!じゃあ、タバコやめよう!」でした。

タバコをやめた日の事を今でもはっきり覚えています。50歳になった6月のある朝、通勤で使っている駅のホームで、「これが最後!」とつぶやきながらタバコを1本吸いました。そして、持っていた残りのタバコとライターを駅のごみ箱に捨てました。そして15年、おかげさまで現在に至っています。

常連のお客様に内科医の先生がいます。ある時、癌の中で最後一番苦しいのはなんですか?と聞いた事がありました。その先生は、即答で「肺がん」と答えました。

今、二人に一人が癌になる時代です。人間いつかは死ぬのですが、肺がんで死ぬのだけは嫌だと強く思っています。40代の禁煙は、いろいろ道具に頼りましたが失敗。50代の禁煙は「キッカケとやる気、辛抱」でした。

24時間溺れている苦しみに、あなたは耐えられますか?

私の体験談がお役に立てれば幸いです。